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UNEPS④ キッズの作戦

私「国連と日米政府の頭になってトップダウンでUNEPS設置を実現するという戦略はわかった。これを実現する戦術を教えてもらおうか」




ハナ「はーい。まずこれを見て下さい」




---------UNEPS戦術-------

2012年10月16日
文責:キッズ







概要:UNEPS設置にあたって国際世論の圧倒的支持を得る事が戦術の要諦。

世論と選挙:国連初の女性事務総長、米国初の日系大統領、そして国連改革を掲げる日本の総理大臣という選挙で公約にUNEPSを掲げる。

国連改革、東アジアの緊張緩和、そして軍事費の削減という側面からアプローチする。広くアジア太平洋諸国の参加を呼びかける。

世論の支持が続いている間に実現させるために国際条約および国内法の制備に目安をつけておく。

議会対策:UNEPS基地は当初日本国内の国連軍基地を利用する。

これを踏まえ、日本の議会対策に超党派の議員連盟をつくり国内法整備を主導する。

米議会は過去2回のUNEPS決議提出の実績を踏まえたロビー活動を行う。

アカデミア:UNEPS設置に向けてその理念を確認する必要がある。

そのためにUNEPSレポートを国連事務総長宛に提出する。

レポート作成は1年を目処に行い、その準備として国際会議をシリーズで行う。大学、政府関係者、関係官庁の担当者を招聘して忌憚のない意見交換を世界各地で行う。

資金供与は日本政府が行い、主催は国連大学とする。

作戦実行の時期:作戦実行の時期は2017年前半とする。

関係職の任期:
 
国連 バン・キムン事務総長  2016年12月31日
 
米国 バラク・オバマ米大統領 2012年12月、あるいは2016年12月
 
日本 野田佳彦総理大臣    特になし(予測困難)




ハナ「先生どうでしょうか?」

私「よしわかった。これで行く」

一同「えーっ!」

ハナ「先生、そんなに簡単に決めて良いんですか?」

「こんなものに良いも悪いもあるか!」

「少しなげやりですか?」

「なげやりではない」

「でも、作戦に何の検討もしないんですか?」

「検討も何も、話が大きすぎて私の能力を完全に超えている」

「えー?」

「ただこの作戦に沿って筋書きは書いてやる」

「やったー」

「後はお前達に任せる」

「えーっ」

「やりたいんだろ?」

「ええ」

「じゃ、やれば良いじゃないか」

「やっぱりなげやりだぁー」

「いや、なげやりではない。ただ」

「ただ何ですか?」

「どうもお前らを信用できんのだ」

イチロー「先生のおっさんよ」

ケンジ「出ると思った」

イチロー「この筋書きを書いてくれれば、後は必ず俺たちがやってみせるぜ」

「うん、お前達には期待している。能力が高いとは思えないが期待はしているんだ」

ハナ「私は国連事務総長だわ。毎日パーティーね。でも何を着ようかしら」

「そういう問題じゃないだろ」

「いえ、大事なことよ!国連のイメージは私で決まるのよ!」

ケンジ「俺は米国大統領だ。ファースト・レディーはデヴォラ・カーみたいなタイプがいいかな。いや、もう少し個性的な感じでオリヴィア・ベンソンにする!
うん。これしかない!おー、楽しみ!むふふふ」


ハナ「ケンちゃん気持ち悪—い」

イチロー「日本の総理ともなると毎晩料亭だな。いやー、寿司も食える。しかも食い放題だ!行くぞー!」

私「だから俺は心配だったんだ。モチベーションが完全にずれている。しかしもう後戻りはできん。前進あるのみだ!」

キッズ「おーっ」


犬塚直史

UNEPS③ キッズの戦略

私「さて、戦略とやらを聞こうじゃないか」


ハナ「私が国連事務総長になります」

「は?」

「まず私が国連事務総長になります」

「ほー」

「イチロー君が日本の総理大臣になります」

「おー?」

「ケンちゃんがアメリカの大統領になります」

「ほー」

「そして3人が力を合わせればUNEPSは必ず実現するはずです」

「ほー」

「ほー、じゃなくて何か言って下さい」

「うん。まずどうやってキッズが事務総長と総理大臣と大統領になるんだね?」

「それは先生にお願いします」

「え?」

「先生はこのストーリーの作者ですね?」

「そうだ」

「自動翻訳機をつくったり、歴史上の人物を教室に呼んだりできますね?」

「まあね」

「超小型の自動翻訳機とタイムマシーンの改良版をつくってください」

「えーっと」

「できないんですか?」

「まあ、何でもできるが、キッズ戦略に一つひっかかるところがある」

「なんですか?」

「政治権力をつかって上からUNEPSを設置しようとしている点だ。UNEPSができる。本当に世界の警察ができる。そして各国の軍備を縮小して行く。そうだね?」


「先生、UNEPSってそういうものですね?」

「そうだ。しかしそれが簡単に実現すれば、UNEPSという暴力装置とこれを運用する政治機構は絶対的な権力をもつことになる。一歩間違えれば世界は強制収容所だらけだ」

「先生」

「なんだね」

「今の国連にUNEPSは絶対に必要ですね?」

「そうだ」

「スーダンやシリアでは一刻も早くUNEPSが必要ですね?」

「そうだ」

「パレスチナにも展開できるかもしれませんね?」

「可能性はある」

「UNEPSが沖縄にできたらアジア太平洋の緊張緩和になりますね?」

「かもしれない」

「だったら上からでも下からでも、できれば良いじゃないですか」

「そうだ。しかしできて今よりも事態が悪化するかもしれん。似て非なるものになるかもしれん。意図が良くても結果が悪いことがある。肝心なのはどう使われるかだ」

「先生、いざ実現しそうになると尻込みするんですか?」

「怖いだけだ。UNEPSのようなものに世論がまったく興味をもたないまま作ってしまえば、世界全体が旧ソ連や北朝鮮のような状態になりかねない」

「先生、UNEPSはたった1万5千の部隊からスタートするんですよね」

「そうだ」

「それなら走りながら考えましょう」

「たとえ1万5千でも、軍事組織というものはあっという間に膨張する」

イチロー「先生のおっさんよ」

ケンジ「でると思った」

イチロー「俺たちは絶対カダフィーにはならないぜ」

私「権力をもつと人間は変わる。お前なんか一番変わりそうだ」

ハナ「なら、ヒットラーを生み出す事ができない仕組みをつくればいいのよ」

「うん。本来、それが戦略の肝心なところだな」

「先生。とにかくやらせて下さい。私達が大人になっても目標がずれるだけです。今のうちにやらせて下さい。理論で仕組みなんかできません。PKOだってそうじゃない。国連憲章に書いていないものがハマーショルドさん達のリーダーシップで出来たんでしょう?理屈はあとからついてきます」

「そうとも言える」

「走りながら考えます。先生も手伝ってください」

「そんな話に乗れるわけがないだろう!国益を超える警察機能を国連につくるっていうのは、国家を超える組織だ。国家を超える理念が成熟しなければできない。今の政治ではできない。経済でもできない。まして軍事力でもできない。グローバル社会を支える価値観を多くの人が共有しなければ暴走するんだ」

「先生!」

「なんだ」

「先生がいつも言っているのは嘘ですか?」

「なんの話だ?」

「戦争の反対は平和ではない..」

私「..」

キッズ「戦争の反対は創造だ!」

「そりゃそうだが、孵化には長い時間がかかるんだ」

ハナ「先生、今日は私達がゲストを呼んでいます」

私「こら勝手にタイムマシーンを使うな!」

ハナ「今日のゲストは岡本太郎さんです」

私「えっ」

岡本「先生よ、あんたは飛び込むのが怖いんだろ」

私「怖い」

「失敗するのも嫌だろ」

「いやだ」

「UNEPSを成功させたいんだろう」

「成功させたい」

「だがキッズのやり方では失敗すると思う」

「間違いなく失敗する」

「ならやったら良い。怖くて失敗しそうな方をやってりゃ良いじゃないか。あばよ」

ケンジ「あー、おっさん行っちまった」

私「(そうだ。こんな話は理屈じゃねえんだよな)よしわかった。キッズの戦略はそれでいい。次回までに戦術をもってこい。手伝うかどうかその時に決める」

キッズ「おー!」



犬塚直史

国連緊急平和部隊(UNEPS) Ⅱ

国連緊急平和部隊(UNEPS: United Nations Emergency Peace Service)


ケンジ「翻訳もってきました」

私「うむ。さっそく見てみよう」


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1948年、当時のリー国連事務総長は、ハーバードでの卒業式の演説で、エルサレムにおける混沌と暴力を打開するために専門の国連部隊の創設が必要だと説いた。

悪いことに、彼はその部隊を「国連軍」と呼んだ。これがそもそもの過ちだった。

国連安全保障理事会(安保理)の五大国はこの提案を完全に黙殺し、アメリカや旧ソ連ですら、仲良く提案を一蹴した。そしてエルサレムの悲劇は続いた。

一方、国連の平和維持活動は1956年のスエズ危機の勃発と初の国連緊急隊(UNEF1)の誕生を皮切りに本格化した。この部隊の派遣は、ダグ・ハマーショルド(Dag Hammarskjold)やラルフ・バンチ(Ralph Bunche)の強い決意と主導のもと、国連総会決議の採択後わずか8日間で実現した。

創設当初、これらの緊急展開軍は加盟国の批判にさらされることがなく、また90年代に入っては不可欠な存在にまで成長していた。

この時期、安保理は17の多機能平和維持・人道ミッションを矢継ぎ早に設置していたが、これらのミッションが負う任務はこれまでのものとは比べようがないほど複雑で、かつ直面する人道上の危機も一刻の猶予も許さないものばかりだった。派遣が2、3ヶ月遅れただけで、人々の命ばかりか、ミッションの有効性やその後の指導力までもが失われてしまうかもしれなかった。

しかしこれらの部隊は、混沌や無秩序の中での活動に必要な訓練を十分に受けておらず、また暴力を止める手段も持っていなかった。そしてシエラレオネでは反乱軍が国連機能を無力化させてしまった。

充分に訓練され、必要な権限と装備をもつ部隊を緊急時に派遣できないことは、災難から人命の損失、派生するあらゆる悲劇という負の連鎖を生み出す土壌となる。

訓練されていない部隊を遅くなってから派遣しても、同じように深刻な人道上の危機しか生み出さないのだ。

90年代に国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子氏は、

自身の名著

『The Turbulent Decade(紛争と難民―緒方貞子の回想)』

の中で、秩序の維持や軍閥による暴力の阻止といった任務を果たせる十分に訓練された部隊が存在しないことが、大規模な難民キャンプの住民にとって何を意味するかを克明に書き記している。

1994年のルワンダの虐殺以降、難民危機の勃発により殺人天国と化した大湖地域では、400万人の命が失われるとともに、数百万ドルに及ぶ救援物資が失われ、地域経済がダメージを受けた。

難民キャンプでの悲劇は、国連平和維持軍が駐留する今も続いている。

これらの惨劇は、速やかな軍事支援を求める緒方氏の訴えが初期の段階で無視されていなければ、起きなかったかもしれないのである。

この例を挙げたのは、常設の即応展開部隊(standing rapid deployment force)
─「緊急平和部隊(Emergency Peace Service)」─構想をサポートする有効な論点となるからである。


他方、この構想に対する共通した反論は複数ある。

第一の反論は、コストである。国連の基準でいえば、小規模であっても常設軍は相当のコストがかかるとみなされる。

それでも、たとえばいわゆる大湖地域でいまなお続く、長期に渡る悲劇的状況がもたらす甚大なコスト(年々増え続ける人命の損失、経済社会の崩壊、人道及びその他支援活動への破壊的影響、そして究極的には、撤退の見通しが全く立たない国連PKO部隊の維持コスト)に比べればはるかに少ない。

常設の緊急部隊に対する第二の反論は、各国政府との間で合意された「待機制度」(UNSAS)が運用・実施可能なのではないかというものである。しかし、1994年安保理がルワンダの虐殺について行動すべきだと判断したときに、UNSASAの20件以上の取組がありながら1件も実施されなかったのである。

当然ながら、国家は自国の部隊を派遣しない権利を保有する。

そんな時に的確かつ迅速に対応できるのは、常設の国連部隊だけである。

もちろん、現在のところそんな部隊は存在しない。

かつてアナン事務総長が述べたように、現在の国連は

「火事が起きて初めて消防車を購入する消防隊」なのである。

そして滅多に公言はされないがもっとも根本的な反論がもう1つある。それは国家主権の侵害である。

国家主権の軽視に繋がるような国連の発展、事務総長権限の拡大について主権国家は非常に慎重な見解を保っている。つまり残念ながら、より深刻な事態を経てしか、常設の国連緊急展開部隊に反対する各国政府を納得させることはできないだろう。人道危機を放置するリスクのほうが、国家主権に対するいかなる脅威にも勝ることを各国が知るにはまだまだ時間がかかりそうであ

しかしその一方で、緊急平和―ビスを具体化する構想やその具体的な実施計画を固めることは依然として不可欠である。

この事業こそ、責任ある国際機関としての新たな機能を備えた国連にとって、そして将来命を救われるかもしれない幾万にも及ぶ無辜の人々にとって極めて重要な事業となるのである。

ビジョンに富んだアイディアというものは、得てしてもっともらしい批判の対象となる。このUNEPS構想のようなもの(最終的にどう呼ばれるかは定かではない)も例外ではない。

しかし、この構想に賛同できる究極の理由が一つだけある。

それは、「UNEPSは必ず実現しなければならない。

そして一刻も早く実現しなければならない」ということである。

It is desperately needed, and it is needed as soon as possible.1
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私「ちょっと古いが、まあそういうことだ。ただ君たちが本気でやるなら、UNEPSがリビアやシリア、アフガニスタン、イラン、パレスチナなどでどんなことができるのか示す必要があるだろう。

それと同時に保護する責任、保護している間の責任といった理念に基づいて実際の活動をどう措置するのか明文化しなくてはならない。不断の見直しも必要だ。日本がリーダーシップをとるなら、北朝鮮、竹島、尖閣、北方領土、沖縄問題、日米同盟、中国の台頭という現のなかでUNEPSがどんな意味をもつのか有権者に訴えなくては政治的な力にはならないだろう。そして何より大事なのは、安保理が機能しない中で..」

アンポリ「みゃー」

「お前も律儀に必ず返事してくれるなあ」

「ゴロゴロ」

「いずれにしてもだ、そういうことだ」

ハナ「何がそういうことなんですか?」

私「難しいってことだ」

「難しいくらい初めから分かってます」

「ほう」

「だから戦略をつくるんです」

「ほう?」

「そして戦術を選ぶのです」

「ほう」

「必ずできます」

「ほう?」 「なぜできるか、分かりますか?」

「いや」 「UNEPSは絶対に必要だから、そして、一刻も早く必要だからです」

「よしわかった。それなら次回、その戦略とやらの話を聞こうじゃないか」


キッズ「おーっ」




犬塚直史






参照1

United Nations Emergency Peace Service, 2006, GAPW, WFM, NAPF




国連緊急平和部隊(UNEPS)

国連緊急平和部隊(UNEPS: United Nations Emergency Peace Service)


ハナ「先生、キッズ何とかって名前は止めます」


私「おー?」


ハナ「そこで新しい名前を考えました」


私「おー」

ハナ「私達のアイデアではありません」


私「おー?」


ハナ「長年の夢でありながら日の目をみない構想です」


私「おー」


ハナ「ケンちゃんがワシントンDCでロビー活動に連れて行ってもらったそうです」


私「おー?」


ハナ「国連緊急平和部隊という構想です」


私「おおーっっ」


ハナ「別名ユネップス、UNEPS: United Nations Emergency Peace Serviceといいます」




私はあまりの驚きにキッズの顔をぼんやり眺めていたが、とつぜんこみ上げてくるものを感じた。




私「うっうっ...」




ハナ「先生泣いてるんですか?」




私「いや風邪だ」


ハナ「やだー先生泣いてる!どうしたんですか?」




私「花粉症だ」


ハナ「泣いてる!」




私「お前らがようやく予習をするようになったから涙腺がおかしくなったのだ」


ハナ「えー、UNEPSって先生の講義にでてくるんですか?」




私「お前らがUNEPSに行き着いたなら、今日の特別ゲストはブライアン・アークハート卿だ」


アークハート「キッズの諸君グッドモーニング」




一同「うぉーいきなり出た!しかもハーイ・ベイビーってのりじゃない!」

私「アークハート卿は国連事務次長時代から長年UNEPS構想を進めようとしている人だ。UNEPSの第一人者といっても良い」




ハナ「嬉しい!お話聞けるのね!」
私「ブライアン、キッズにUNEPSの話をしてやってくれ」

アークハート「In 1948, the first Secretary-General of the United Nations, Trygve Lie, proposed during a commencement speech at Harvard the development of a small, dedicated UN force to deal with the violent and chaotic conditions in Jerusalem. Perhaps unwisely, he called it a “United Nations Legion.” ..」




私「自動翻訳機が故障だ!」




イチロー「アンポリの妨害だ!」




アンポリ「みゃー」




アークハート「..In any case, the proposal was greeted with thunderous silence from the permanent members of the Security Council; even the United States and the USSR agreed that it was a terrible idea. The violence in Jerusalem continued.
UN peacekeeping came into full bloom with the 1956 Suez crisis and the creation of the first UN Emergency Force (UNEF I). That force was de- ployed, due to the leadership and determination of Dag Hammarskjold and Ralph Bunche, within eight days of the General Assembly’s decision to establish it. The early peacekeeping forces of the Cold War period were put into the field with similar speed, the record being seventeen hours for UNEF II (to preserve a cease-fire between Egypt and Israel) in 1973. Although the political stakes were often very high, those early forces were less complex than the post-Cold-War multifunctional operations that were later deployed within the frontiers of a single disturbed country. Except for the 1960 Congo operation, these early forces had little or no humanitarian responsibilities. Equally important, they dealt only with governments and national forces and were deployed with the agreement of those governments as soon as a cease-fire was in place.」





私「アンポリ、こっちおいで」




アンポリ「みゃー」




アークハート「..Although in the early days of its existence a standing rapid deploy- ment force was accepted without major criticism from states parties, such a force became really indispensable when, in the 1990s, the Security CouncilTo PrevenT Genocide and crimes aGainsT HumaniTy
agreed to set up seventeen multifunctional peacekeeping/humanitarian missions in quick succession. The role of these operations was far more complex than the original peacekeeping operations, and the humanitarian crises facing most of them meant that even a month or two of delay in de- ployment was devastating not only for the victims, but also to the mission’s effectiveness and subsequent authority. Moreover, very few of their contin- gents were trained in the fundamental tasks of stopping random violence and dealing with chaos and disorder. This was why situations like that in Sierra Leone, where the rebel faction more or less successfully immobilized a UN force, could easily develop.」




ケンジ「先生!」

私「早くアンポリをどかせ!」

ケンジ「いいです、アークハート卿には最後まで続けてもらいましょう。翻訳は私が明日までにやっておきます!」

私「おー、そうしてくれるかケンジ君!」
と、私はがっちりケンジの手を握る。

ケンジ「先生きもちわるいです。手を離して下さい」

アークハート「The failure to deploy forces in emergency situations can start a chain reaction of disaster, loss of life, and misery. However, late deployment of a mission with forces untrained for the tasks at hand can create an equally devastating humanitarian situation. In her recent, remarkable book, The Turbulent Decade, Sadako Ogata, the High Commissioner for Refugees in the 1990s, describes vividly what the absence of trained forces can mean for a large refugee population in whose camps there is no one to keep order or stop factional abuse. The post-Rwandan-genocide refugee crisis in the Great Lakes Region led to homicidal chaos that has so far cost over four million lives as well as many millions of dollars in relief aid and general economic loss. Tragedy in the camps continues despite the eventual arrival of a UN peacekeeping force. Much of this might have been avoided if, in the early stages, Ogata’s pleas for immediate military assistance had not been ignored.
I have mentioned this one example because it helps address some of the most common objections to a standing rapid deployment force or, as it is called in this book, an Emergency Peace Service. There are several com- mon objections to this idea, as well as one seldom expressed but very im- portant. The first common objection is related to expense. Certainly even a small standing force would be quite expensive by United Nations standards, though it would still be exponentially less costly than prolonged disasters like the continuing tragedy in the Great Lakes region—in lives, in economic and social disruption and in the cost of humanitarian and other assistance year after year, including at present a UN peacekeeping force that shows no sign of leaving any time soon.
Another popular argument against a standing emergency service is grounded in a belief that “standby arrangements” with governments can and should be enlisted to handle these tasks. That, unfortunately, is not
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a uniTed naTions emerGency Peace service
always true. In 1994, there were more than twenty standby arrangements with governments for the provision of peacekeeping forces. Not one could be activated successfully when the Security Council belatedly decided that something ought to be done about the Rwandan genocide. Later on, when Sadako Ogata appealed for help in controlling the very large refugee camps set up outside the borders of Rwanda, only one standby agreement could be activated, and that for so short a time that Ogata ended up asking president Mobutu of Zaire, who was about to be overthrown, for assistance from the Zairean army. Any government has a perfect right not to send its troops into disagreeable and dangerous situations, which is more often than not what the UN has to deal with. Only a professional, specially trained, standing UN force at the full disposal of the Security Council can be absolutely relied on to respond with the necessary speed in such situations. At present, this does not exist. As Kofi Annan once said, the UN is the only fire brigade in the world that has to acquire a fire engine after the fire has started.
However, the most basic objection to a standing UN peace service is seldom expressed publicly. Protection of national sovereignty is a concern that very often limits the ability of the UN to do the right thing in the right way at the right time. Fear of any UN development that may erode national sovereignty has always limited the UN’s capacity for intervention. For this same reason, governments have been acutely cautious about expanding the Secretary-General’s sphere of authority. A standing emergency peace ser- vice would certainly increase the Security Council’s capacity to react quickly and effectively in an emergency, rather than go through the pedestrian and often untimely and unsatisfactory process of setting up a traditional peace- keeping force. Nevertheless, it seems as though it will take more disasters and many more debates before the governments that object to a standing UN rapid deployment force can be convinced that saving lives and stopping incipient disasters before they run out of control is more important, and far less dangerous, than any possible threat to national sovereignty.
Meanwhile, it is vitally necessary that the concept and the practical plan for making an emergency peace service a reality be kept alive. That is the crucial importance of this book.* The basic proposal begins by stat- ing, “Because governments have not created the necessary UN capability, the responsibility for breathing life into the UN Emergency Peace Service now lies with civil society, working with allies in the UN and interested gov- ernments.” This venture is of the greatest importance both to the UN as a responsible institution and to the millions as of yet unknown, innocent vic-
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To PrevenT Genocide and crimes aGainsT HumaniTy
tims who might, in the future, be saved by this essential addition to the UN’s capacity to act on their behalf. Like many visionary ideas, there are several plausible objections to a UN Emergency Peace Service, or whatever it might finally be called. Nevertheless, there is one overwhelming argument for it. It is desperately needed, and it is needed as soon as possible.」





アンポリ「みゃー」

アークハート「それではキッズ諸君さようなら」




続く

   
犬塚直史


戦争の違法化② シリア

私「いやー、授業を一週間サボってしまった。皆すまん」



一同「休講うれしーい!」



私「なぜリビアに対する多国籍軍は派遣できながら、シリアにはできないと思う?」




イチロー「多国籍軍って、なんですか?」


私「アンポリ決議に…」




アンポリ「みゃー」




私「…安保理決議に基づいて各国が軍隊を提供してつくる。各国軍隊の寄せ集めだ。統一した指揮系統はあるが、普通の軍隊とは違う。安保理に対する報告義務もある」


イチロー「国連軍ではないんだ」




私「違う。リビアには派遣された。リビア市民を“保護する責任”決議に基づいて多国籍軍が派遣されたんだ。なぜシリアではできないと思う?」




イチロー「安保理だ」


アンポリ「みゃー」

私「そう。リビアの時は中国、ロシア(P2)が拒否権を使わなかった」

ハナ「P2ってなんですか?」


私「5つの常任理事国をP5というから、中国・ロシアをP2、英・仏・米をP3と便宜上呼ぶ」




イチロー「弁理士を呼ぶのか」


ケンジ「便宜上、そう呼ぶんだろ」


私「シリアに対する強制措置についてP2は常に拒否権を使って反対してきた」

イチロー「出っ歯を直すか」


ケンジ「それは歯科矯正だろ」




ハナ「強制措置は、説得や支援ではなくて経済制裁、資産凍結から軍事的な介入までを含むのよ」


私「そうだ。だがなぜP2の態度が変わったと思う?」


イチロー「利権」




ケンジ「癒着」




ハナ「バランス・オブ・パワー」


私「そうかもしれない。そんな理由なら今後いくらでも出て来るだろう。もっと根本的な疑問がある。今日のゲストはブラジル連邦共和国大統領のジルマ・ルセルだ」




一同「おー、現職の大統領だ!」


私「ジルマ、R2P保護する責任の問題点をキッズに教えてやってくれ」




Dilma Rousseff「Much is said about the responsibility to protect; yet we hear little about
responsibility in protecting. These are concepts that we must develop together.」参照1




一同「えー、日本語になってない!」




私「おー、自動翻訳機が故障だ」




イチロー「翻訳機の中でアンポリが寝てます!」


ケンジ「先生の座布団に移せ」

ハナ「やさしくね」




アンポリ「ミャー」


ジルマ「保護する責任についてはたくさんの議論がありますが、保護している間の責任については語られていません。私達はこの視点から理念をさらに発展させなければなりません。それでは皆さんさようなら」




イチロー「去るのが早い!」




ケンジ「おばさん、行っちまった」




ハナ「何か話がややこしくなってきた…」




私「保護する責任を全うするために、軍事的な視点からみれば独裁政権の体制変換しかない。強制行動の目的をそこにもってくるのは理論的だ。しかし、保護する責任の理念からははずれている。ジルマはそこを問題にしたんだ。つまり、保護する責任によって強制行動が取られた時に、保護している間の責任も規律しなければいけない。R2Pに加えてRWP(Responsibility
While Protecting)というわけだ」


ハナ「えー、もっと説明して下さい」


私「うん、夏休み明けで調子が出ないから次回にする。アンポリおいで、パソコンの裏で寝なさい」




つづく




参照1 STATEMENT BY H. E. DILMA ROUSSEFF, PRESIDENT OF THE FEDERATIVE REPUBLIC OF BRAZIL,

AT THE OPENING OF THE GENERAL DEBATE OF THE 66TH SESSION OF THE UNITED NATIONS
GENERAL ASSEMBLY, 21 September 2011,
http://globalr2p.org/media/pdf/Brazil.pdf accessed Sep8, 2012







戦争の違法化 – シリア①

私「みんな、戦争はいつから違法化されたと思う?」


イチロー「戦争の違法化って、何か変じゃないですか?」

ケンジ「そう。戦争は止まらないのになにが違法と言っても意味がない」

ハナ「違法化っていうと、世界政府が戦争を禁止していて、違反すると取締まりがあるっていうイメージよね。そんなのないでしょ?」

私「やろうとした。それが1945年だった」

ハナ「1945年?」

私「国際連合の誕生だ」

ハナ「でも国連は世界政府ではないでしょ?」

私「もちろん違う。国会も政府もない。だが1945年に国連が設置された時、世界警察は創ろうとしたんだよ」

イチロー「やった、石原裕次郎だ」

ケンジ「それは西部警察だろ!」

ハナ「でも世界警察なんて、そんなに簡単にできるの?」

私「簡単ではない。まず、どんな戦争が合法で、どんな戦争が違法かを決める必要がある」

ハナ「えー、合法な戦争なんてあるんですか?」

私「急迫不正の侵害を受け、これを防ぐに他の手段がなく、必要最低限の武力行使を行う。これは合法だ」

ハナ「知ってる!自衛権行使の3原則ね」

私「そうだ(こういう生徒がいて俺はうれしい…)」

ハナ「でも自衛権行使の3原則って、どうやって決まったのかしら」

私「うーん、古くは2~3千年前のインドでこういう議論があったらしいよ」

一同「2~3千年前?先生、それは大雑把!」

私「戦争みたいな酷いことが、絶対に許されないのか、許されるとしたらどんな時な

のか、という疑問は大昔からあったっていうことだ」

ハナ「自分の身を守ったり、家族を守るのは当たり前よね。でもどこまでが自衛なのかしら」

私「何が急迫不正の侵害なのか、武力以外の手段で本当に防ごうとしたのか、必要最低限の武力とは何か、だれかが決めなくてはならない」

ハナ「そんなに大切な事をどこで決めるんですか?」

私「安保理だ」

アンポリ「ミャー」

私「国連憲章で初めて、戦争を含む武力行使一般が禁止された。国際社会の合意としてね」

ハナ「そこまでくるのに2~3千年かかった…」

私「そうだ。その上、自衛の武力行使にも歯止めがかかったんだ。自衛権の行使は許される。ただし、国連軍が展開するまでの間だけっていう形でね」

ハナ「国連軍がくるまではOKって言われても、国連軍はいない」

私「そう。だから国連憲章の第7章は空文と化した。第7章の43条に特別協定というのがあって、国連加盟各国は、その軍隊の一部を提供することが定められている」

イチロー「やったー!世界警察だ!」

ケンジ「夢の世界警察だろ。喜ぶなよ」

私「そう。未だに43条特別協定はどこの国とも結ばれていない」

ハナ「誰が世界警察の責任者だったんですか?」

私「安保理だ」

アンポリ「ミャー」

私「安保理の意見の不一致でシリアに強制行動を取れないっている話はしたよね?」

ハナ「コフィ・アナンが怒っていたわ」

私「世界警察が出来なかっただけでなく、保護する責任原則に基づく強制行動も、安保理の不一致で実効に移せない」

アンポリ「ミャー」

私「いやアンポリのせいじゃない。この話の続きはまた明日にするよ」




つづく

犬塚直史(いぬづかただし)





尖閣諸島は誰のもの? - 国立国会図書館

私「それでは、今日は尖閣諸島をやるよ。講義の前にまず宿題をだす!」


一同「えー、まず宿題!?」

私「(わはは、どうだ!)時事の問題は、しょっちゅう目先が変わるから、基本
を押さえないとダメだ」


  キッズ緊急平和部隊への初宿題:「尖閣諸島の領有をめぐる論点-日中両国の見
解を中心に-、国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 565(2007.2.28)http://
www.ndl.go.jp/jp/data/publication/issue/0565.pdf






私「それでは、まず地理だ」






 尖閣諸島:
尖閣列島ともいう。
九州南方から台湾東方に連なる南西諸島の一部。
魚釣島、大正島、久場島、北小島、南小島、沖の北岩、沖の南岩、飛瀬の5島3岩礁の総称。(満潮時に水没しないのが島、するのが岩礁)。

総面積は5.56㎢で、神奈川県箱根町の芦ノ湖(7.1㎢)より少し小さい。
一番大きな魚釣島を起点とすると、沖縄本島まで約410km、台湾まで約170km、中国大陸まで約330kmの距離に位置する。参照1









ハナ「台湾まで170km、中国まで330kmしかないのね」

イチロー「自転車で行ける距離だ」

ケンジ「それはアイアンマン・レースだろ!」




ハナ「近い方に権利がある?」

私「いや、距離は関係ない」

ハナ「じゃあ、どう決めるの?」




私「発見、そして主権行使、ということになっている」




ハナ「発見って、誰の物でもない土地を見つけることね」

私「そう、無主の地ともいう。発見に関しては外務省ではこう説明している」




 
  尖閣諸島は、1885年政府が沖縄県当局を通ずる等の方法により再三にわたり現地調査を行ない、単にこれが無人島であるのみならず、清国の支配が及んでいる痕跡がないことを慎重確認の上、1895年1月14日に現地に標杭を建設する旨の閣議決定を行って正式に日本の領土に編入することとしたものです。

  同諸島は爾来歴史的に一貫してわが国の領土たる南西諸島の一部を構成しており、1895年発効の下関条約第2条に基づきわが国が清国より割譲を受けた台湾及び澎湖諸島には含まれていません。

従って、サン・フランシスコ平和条約においても、尖閣諸島は、同条約第2条に基づきわが国が放棄した領土のうちには含まれず、第3条に基づき南西諸島の一部としてアメリカ合衆国の施政下に置かれ、1971年6月17日署名の琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定(沖縄返還協定)によりわが国に施政権が返還された地域の中に含まれています。

以上の事実は、わが国の領土としての尖閣諸島の地位を何よりも明瞭に示すものです。参照2






ケンジ「要するに、先に見つけて杭をたてれば自分の物ってこと?」

私「杭だけじゃダメだ」

ハナ「その時、誰かが住んでいたらどうするの?」

私「尖閣諸島に先住民はいなかった。でもその点は大切だから日を改めてやるよ」




ケンジ「杭をたてた後、何をすれば良いの?」

私「主権行使だ」

ケンジ「主権行使?」




イチロー「これは俺の物だといって唾をつける」

ケンジ「コロッケじゃないんだ。芦ノ湖サイズに唾はつけられないだろ!」

ハナ「無主のコロッケもないわよ!」




私「要は日本の国の一部として継続的、平和的に占有していたかどうかだ。尖閣

諸島に対する主権行使については、これが日本外務省の主張だ」



(1) 警備・取締りの実施(例:領海内で違法操業を行う外国漁船の取締り)。

(2) 土地所有者による固定資産税の納付(民有地である魚釣島,久場島等)。

(3) 国有地としての管理(国有地である大正島等)。

(4) 政府及び沖縄県による調査等(例:沖縄開発庁による利用開発調(仮設へリポートの設置等)(1979年),環境庁によるアホウドリ調査の委託(1994年),沖縄県による漁場調査(1981年)




私「要は、杭を立てた後、何をしていたかの説明だ。他国の異議申し立てもなく、平和裏に日本が実効支配していたという主張だな」




ハナ「発見して、実効支配していた、ということは尖閣諸島は日本のものね」




私「一応ね」




ハナ「えー、どうして一応なんですか?」




私「国際法だけで国境が決まる訳じゃない。力関係で決まる。力といってもいきなり武力紛争になるわけじゃない。漁船や漁業監視艇をつかったり、活動家を上陸させたり、レアメタルの輸出停止をしたり、いろいろだ」




ハナ「どうして、そこまでしていくつかの島が欲しいんだろう」




私「資源だろう。東アジアの大陸棚に豊富な石油資源がある可能性が1968年に指摘された後、中国が領有権を主張し始めた。排他的経済水域も広がるし、軍事的にも意味は大きい」




ハナ「いきなり中国軍が尖閣諸島を占領したらどうなるの?」




私「中国に対して脅威を感じている国々と協力して事に当たるしかないだろう。仮に日本が国連の場で解決しようとしても、拒否権をもつ中国に不利な安保理決議は絶対に採択されない」




アンポリ「ミャー」




私「最終的には軍事力が国境を決めるのが人類の歴史だ」




イチロー「先生のおっさんよ」




ケンジ「でると思った」




イチロー「今日のところは軍事力が国境を決めることにしておくぜ。だが、必ず俺たちが国境紛争のない世界をつくってみせる」




ハナ「その通りよ!イチロー偉いわ」




私「うん、キッズ緊急平和部隊には期待してる。今日はこれでおしまいだ。明日は戦争の違法化だ」




参照1

海上保安レポート2005年版、2012年8月21日アクセスhttp://www.kaiho.mlit.go.jp/info/books/report2005/
tokushu/p018.html


http://www.mofa.go.jp/mofaj/
area/senkaku/



参照2

尖閣諸島に関するQ&A、2012年8月12日アクセス、http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senkaku/qa_1010.html



  明治17年(1884年)頃から尖閣諸島で漁業等に従事していた沖縄県在住の民間人から国有地借用願が出され,明治29年(1896年)に明治政府はこれを許可しました。この民間人は,この政府の許可に基づいて尖閣諸島に移民を送り,鳥毛の採集,鰹節の製造,珊瑚の採集,牧畜,缶詰製造,燐鉱鳥糞の採掘等の事業を経営しました。さらに,尖閣諸島を含む沖縄の施政権が日本に返還された後について,幾つかの例を挙げれば以下のとおりです。

尖閣諸島の領有権についての基本見解、外務省HP、2012年8月21日アクセス



尖閣列島は誰のもの? - 講義延期

私「今日は“戦争の違法化”をやろうと思ったんだけど、尖閣列島の話に変更する」




ハナ「先生、その前にご相談があります」

私「何だい?(相談じゃなくて決定済みたいな雰囲気だが…)」




ハナ「“キッズ地球防衛隊”という名前をやめようと思います」

私「ほう…」




ハナ「地球防衛隊じゃ、宇宙人と戦争するみたいです」

イチロー「悪くはないと思うんだけどなあ」

ハナ「何いってるのよ!アンリ・デュナンも、コフィ・アナンも、ロメオ・ダレ
ールも、ぜーんぶ相手は人間じゃない!宇宙人じゃないわよ!」





イチロー「俺は“キッザニア政府”でもいいんだが…」

ケンジ「それじゃ大人のお膳立てだろうが」




私「それで、何と言う名前にしたの?」

ハナ「“キッズ緊急平和部隊”です」

私「ほー、明日にでも紛争地に飛んで行きそうな名前だな」




ハナ「先生!飛んで行きそうって、行きそうって、どういう意味ですか!明日に
でも飛んで行かなきゃ行けないんでしょ?違うんですか?そのために勉強してる
んじゃないんですか?どうなのよ!」


私「こらこら、髪の毛引っ張るな、禿げるだろ!」




ハナ「先生、反対するんですか?」

私「いや、ハナちゃん、大賛成だ。ぜひ超主権的な組織にして欲しい」

イチロー「やった、超主権組織だ!サンダーバードだ!」




ケンジ「Kids Emergency Peace Service, KEPSってとこだな」

イチロー「“キッザニアEPS”はどうだ?」

ケンジ「その話は終わってるだろ!」




私「キッズ緊急平和部隊、に心から期待する。検討祈るよ」

ハナ「ありがとうございます」




私「今日はこれでおしまいにする」

アンポリ「ミャー」


私「尖閣の話は明日にしよう。予習しとけよ。おいでアンポリ、鰹節あげるよ」





犬塚直史(いぬづかただし)